時計用のレザーベルトの選び方
腕時計をつけていると、ベルトがどうしても傷んできます。
レザーベルトの場合、汗などの水分で革がどうしてもぼろぼろになりますし
時計のつけ外しで表面がこすれて来たりもします。
こうなるとベルトの交換をしなきゃ!となるのですが、今回のその選び方について
意外とわかっていない基本的なことを書いていこうと思います。
参考例はスタッフの私物の時計
BULOVA社の薄型クォーツです。
画像ではわかりにくいですが、ダークブラウン色のベルトがついています。
まずはベルトの幅を確認します。
オレンジの〇で囲んである部分を「ラグ」と呼びまず。
時計にベルトを接続するところをそう呼びます。
覚えなくても特に支障はありません。
そして左右のラグの間の長さを「ラグ幅」と呼びます。
これがいわゆる「ベルト幅」。
ベルトを買うときにまず調べるところです。
定規などで測れば大丈夫なんですが、ここをミスるとせっかく買ったベルトがつけられないという悲しい事態になります。
可能ならお店の人にしっかり見てもらった方がいいと思います。
ベルトの裏面にサイズが書いてあったりもします。
次に尾錠幅を調べます。
ベルトの12時側についている(ことが多い)金具の事を「尾錠」と呼びます。
この金具はメーカーのロゴマークが入っていることが多いので、可能であれば生かして新しいベルトに取り付けていきます。
特にピンクゴールド、ローズゴールド系の時計の場合、製造メーカーやモデルによって色味が結構変わります。
そのせいでピンクゴールド色の新しい尾錠をつけると妙にしっくりこないことがあるので、ピンクゴールド系の時計は要注意です。
ただ、ここのサイズも時計によってまちまちなので、合うサイズが無くて元の尾錠を付けられない、ということもあります。
その場合は新しいベルトに元々ついている尾錠をそのまま使ってもらいます。
ロゴマークがついてなかったり、色味を気にしない、ロゴ無くてもいいや
という人であれば特に考えなくていい部分です。
このBULOVAの時計の場合
ベルト幅20mm
尾錠幅18mmでした。
尾錠はBULOVAのロゴ入りなので、元の尾錠を再利用して取り付けます。
これを踏まえてベルトを選んでいきます。
これはうちの店のベルトです。
20mmは交換が多いサイズなので、種類も多く揃えられてます。
他にもあるのでたぶん20mmだけで100本近くはあるんじゃないかなと思います。
タイムズガーデンでは1000本を超えるベルト在庫を持っています。
これでも全ての要望に応えられる訳ではないので、本音を言えば更に揃えていきたいところです。
牛革やワニ革、トカゲ革、シリコンラバー、金属ベルトなどの種類、カラーバリエーションから
さらに水に強い撥水加工、厚み、硬さ、柔らかさといった機能性など、
お客様の希望をヒアリングしながら時計にあったものを選んでいただきます。
今回、スタッフの要望は
・明るい色にしたい
・柔らかい素材にしたい
とのことだったので、ざっくり候補を選んでもらいました。
色の濃いベルトも混じってますね。
ヒアリングをしていると、やっぱりこっちも…となりがちでよくあることです。
候補を時計に合わせていきます。
ベルトを時計に当てて似合うかどうか見ていきます。
うちの店ではベルトをこうやって直接当ててもらい、印象を見てもらうことをよくやります。
他のお店だとどうなのでしょうか。
ついで尾錠を見ていきます。
左のベルトは候補の中の一本ですが、よく見ると尾錠のサイズが違います、
左の方が大きいですね。
真ん中の棒も幅が太い。
こうして見るとよくわかります。
サイズだけでなく、真ん中の棒の幅も全然違う。
これでは元のBULOVAの尾錠はつけられないので、今回は候補から外します。
元の尾錠はつけられないけどこのベルトが気に入った、もしくは変わっても特に気にしないという人であれば、
左の尾錠をケースの色に合わせた色に変えて交換することになります。
二種類に絞られました。
どちらもフランスのベルトメーカー「ROCHET(ロシェ」のもので、同一モデルのカラー違いとなります。
ロシェのベルトはお手ごろな価格ながら質感にもカラーにもこだわりがあり、おしゃれで人気が高いです。
このモデルも生後三年以上の牡牛の皮を使用していて、渋い風合いとつけ心地の柔らかさが特徴。
厚みも一般的程度のものなので、薄手の時計に合わせても違和感無くまとまります。
ちなみにですがロシェのベルトはフランス製なので、つまりフランス人の体格に合わせた長さになっています。
上の画像でも12時側が長いのがわかります。
国産のものより長いモデルが多いので、必要であればベルト穴開けを行います。
日本の、特に若い方には手首が細い人が多いのでよく行いますね。
決まりました。
明るい色のベルトへ交換したので全体的な印象も明るくなっています。
尾錠も元のものを使用。
比較すると印象が変わったことがわかりやすいと思います。
気に入ってくれました。
今回のスタッフはおっさんなのであんまり考えてませんでしたが
女性は肌のパーソナルカラーを考えて選ぶ方も多くいます。
時計に合うかどうか以外に自分の肌がブルべかイエベか、装着したときにベルトが肌の色となじむか
さらに加えて普段着る服のスタイルに合わせる選び方です。
ここまでくるとネットで見ただけでは判断がつかないことが多いので、店員さんと相談して選んだ方がいいのではないかと思います。
こちらについてはスタッフも勉強している所です。
以上です。
いかがでしたでしょうか。
大体このような形でベルト交換を行っています。
文章にすると長くなりますが、選んでもらって取り付けまで込みでも大体5分~10分で終わることがほとんどです。
最近はネットで買う方もたくさんいらっしゃいますが、店頭で見て初めてわかる思いがけない組み合わせもあると思います。
よければお近くの時計店さんにも伺ってみてください。
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