【修理事例】100年前の鉄道時計 ハミルトン 懐中時計のオーバーホール

千葉県柏市で時計修理を行っておりますタイムズガーデンです。

ハミルトン社製の懐中時計の修理を承りました。

普段の修理ではほとんど取り扱いが無い珍しいモデルでしたので、お客様の了解をいただきまして紹介させてもらうことにしました。

HAMILTON社は1892年アメリカのペンシルバニア州ランカスターで設立された時計会社です。


近年ではクラシカルなスタイルのオシャレなモデルやアウトドアモデル、また映画で紹介された三角形型の時計「ベンチュラ」などが有名ですね。

時計が好きな方ですと世界初のLED式デジタルウォッチ「パルサー」でご存じかもしれません。


そんなハミルトンですが、その設立当初、19世紀終わりごろでは鉄道時計で名を馳せていました。

正確な時を刻む高い精度と併せて壊れにくい頑丈さを要求される鉄道時計において、ハミルトンはその両方を高い水準でクリアし、広く使われていたそうです。


今回お預かりしたのはおそらくその時代の鉄道時計。

シンプルな文字板と大ぶりなフォントの数字が見やすく、忙しい業務の中でも見間違えが無いようなデザインになっています。


また、検索してみるとセイコーミュージアムにそっくりな時計が収蔵されていました。

https://museum.seiko.co.jp/collections/etc/collect012/



この時計、当初は「時刻合わせが出来ない」とのことでお持ち込みでした。

ご家族が持っていらしたもので、お客様も扱い方を知らなかったそうです。

実際、通常通りリュウズで時刻を合わせようとしてもびくともしませんでした。


それもそのはずで、この時計は一般的な時計とは時刻の合わせ方自体が違うことが判明しました。

恥ずかしい話ですが私は預かり時に気付かず、実際にオーバーホールを行った技術の方に話を聞いてようやくわかりました・・・

油切れも起こしていたのでオーバーホールは必要だったのですが、構造自体には何の問題もなかったようです。


その時刻合わせがこちら。

備忘録もかねてやり方を記録しておこうと思います。


ガラスで覆われた時計の表部分がスクリューになっていて、回すと外れます。

このような感じで外れます。

その後、本体部分の一時方向にあるレバーを引き上げます

爪などでひっかけて引き上げます。

この状態でリュウズを回せば針が動き、時刻が合わせられます。

現在時刻に合わせたらレバーを元の状態に押し戻し、ガラスふたを閉めれば完了です。


これは「剣引き式」「レバー式」と呼ばれる方式で、古い懐中時計に多い仕組みです。

ケースの外周部にレバーがついていることが多いのですが、こちらはガラスを外さないとレバーが見えず、操作も出来ない構造になっています。

おかげで私は気づきませんでした。

反省することしきりです。


ともあれ、今回はパーツにも問題が無く、オーバーホールだけで対応が完了しました。

お客様にも操作方法の説明書を作ってお渡ししまして

今後ご家族の誰かに引き継がれた時にも操作で困らないようにいたしました。


今回は以上です。

お読みくださりありがとうございました。


時計修理専門店 Times Gardenでは時計にかかわる様々な修理を請け負っています。

電池交換やベルト交換、オーバーホール以外の様々な破損、不具合、また掛け置き時計についてもご相談を承っております。

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