夏でも安心 防水ベルト特集
気温が高く雨も多い夏場は時計のベルトが傷みやすい時期です。
腕に密着する腕時計は特に汗の影響を受けやすく、1シーズンでボロボロになってしまうことも。
今回はそういった問題を防ぐ、汗や水分にも強い時計用ベルトのご紹介をさせていただきます。
1 シリコン・ラバー・ウレタンベルト
耐水時計ベルトの代名詞ともいえる、シリコンやウレタンといった水分をはじく素材を使ったベルト。
真夏に使っても安心な上に耐久性も高い人気のラインです。
シリコン・ラバーの二つは混同されがちですが正確に言うと違う素材です。
シリコンラバーとも呼ばれるのでわかりにくいのですが、ざっくり言うと
ラバー = 天然ゴム
シリコン(シリコンラバー) = 合成ゴム
となります。
近年ではシリコンベルトの方が圧倒的に多くなっている印象がありますね。
ウレタンはポリウレタン樹脂を主素材にしたものです。
非常に安価ですがラバーと同じ高い耐水性を持ちます。
シリコンベルトについて
シリコンはフィット感もよく着け心地もいいのですが、反面通気性が悪く、汗で蒸れやすいという声をお客様から聴くことも。
これを解決するため裏面へ凹凸の加工を付けて汗や湿気の逃げ道を作ってたモデルが多くあります。
我々の店ではrochet社のシリコンベルト「BIRDY」が人気です。
この加工をしていないモデルもあります。
加工していないのは安価なモデルに多い印象ですが、どちらを選ぶかは好みだと思います。
加工していないものは腕に触れる部分がすべすべなので「こっちがいい」と言われることもありますので。
機能的にはいいことづくめですが、時計に着けるとどうしてもカジュアル寄りのスタイルになってしまいます。
そのため時計を耐水ベルトかつフォーマル寄りにしたい場合は耐水レザーをオススメしています。
またシリコンはどうしても厚みがあるので、薄型の時計とも相性が良くなかったりします。
逆に言えば厚みのある大型の時計には似合うことが多いので一長一短ですね。
ウレタンベルト
ウレタンベルトも高い耐水性や耐久性を持っていますが、シリコンやラバーと比べてより安価です。
反面硬いため、着け心地はラバーより劣り、紫外線などでも劣化しやすいデメリットがあります。
どちらがいいの?
このウレタンとシリコンラバー、機能特性が似てるので「どちらがいいの?」とよく聞かれます。
機能的にはシリコンの方が柔らかく着け心地はいいのですが、
価格で見るとウレタンの方が圧倒的に安く一長一短があります。
日常生活で使う分には価格やデザインの好みで決めていいと思いますが
スキューバダイビングなどのマリンスポーツで使う場合
ダイバーズウォッチ用のウレタンベルトをおすすめしています。
理由は単純で、シリコンラバーよりウレタンの方が強度が高くちぎれにくい、
そして何より長年ダイバーズウォッチ用ベルトとして使われてきた実績があるからです。
当店でも扱っているセイコーやバンビ社製のダイバーズウォッチ用ウレタンバンドで紹介すると
バンド自体がやや伸縮する蛇腹構造になっており、ダイビング中の水圧の変化で腕の太さが変わる問題にも対応しています。
また通常より長いサイズに作られているため、例えばウェットスーツの上から時計を装着した場合でも十分な余裕を持つことが出来ますし
ベルト穴の数も多いのでウェットスーツ基準で選んでも日常使いが出来る優れものです。
一般的なウレタンバンドとダイバーズ用ウレタンバンドの比較
バンビ社製ウレタンバンドでの比較です。
←がノーマルのウレタンバンド
→がダイバーズウォッチ用ウレタンバンド
ダイバーズ用の方が長いのがわかります。
横から見た図です。
↑のダイバーズ用は蛇腹構造で多少伸び縮みするようになっており
↓の一般ウレタンバンドと比較するとやや厚みがあります。
厚みについてはモデルごとでも差があるので一概に言えることではないのですが
厚みの分だけ衝撃吸収性は高くなります。
ウレタンは経年劣化しやすく、マリンスポーツで使う場合は特に紫外線で劣化が早くなります。
そのため定期的な買い替えは必要となりますが、
それでも時計に命を預ける場面があるマリンスポーツではダイバーズ用と銘打ってあるものをお勧めします。
日常生活ではオーバースペックというか使わないスペックなので、マリンスポーツをしない方であれば好きに選んでいいのではないでしょうか。
2 耐水レザーベルト
いわゆる皮革製品は水分を非常に嫌います。
特に時計は一日中肌に密着しているため、1シーズンでボロボロになってしまうこともあります、
その問題を解決するため、各社で耐水加工を施したレザーベルトが研究され、様々なモデルが出されてきました。
当店ではバンビ社製のスコッチガード加工をしたモデルが非常に人気です。
3M社の防水剤「スコッチガード」を革のなめしや染色の段階から使用しているのが特徴で、効果が半永久的に持続するとされています。
さら汚れやシミも抑える効果もある優れものです。
サイズバリエーションが多いのも特徴です。
ベルト幅は最小10mm~最大24mmまで1mm刻みで展開し
カラーもブラック・ブラウン・ワインレッド・ネイビーブルー・ホワイトの5色に型押しとスムースタイプもあるため非常に幅広いニーズに応えてくれます。
本格的な防水モデルはどこのメーカーでもベルト幅18mm以上のメンズサイズばかりで
レディースサイズを紹介できないことが多いのですが、そのニーズにも応えてくれます。
価格の安さも嬉しかったのですが昨年値上げがあり、他の防水ベルトと価格帯が競合してきました。
それでもオススメできるロングセラーです。
その他にスポーツタイプの防水ベルトも多くあります。
これらはすべてRochet社製の防水ベルトです。
ダイバーズ系にも合いますが、スポーツタイプや大型のクロノグラフといったものにもオススメ出来るラインナップです。
Rochet社は何モデルも防水レザーを出していますが
中でもNeptune(ネプチューン)はステッチ色が多くあるのが特徴で、コパ(ベルトの側面)もステッチと同色で塗られています。
このステッチ色を時計の針の色に合わせて選ばれる方もいらっしゃいます。
こちらはCASSISの「NURNBERG」(ニュルンベルグ)
カーフレザーでありながら100メートル防水性能を叩き出している高スペックな変わり種です。
厚手のしっかりとした作りに加えデザイン性がいいので日常使いにもいいモデルです。
3 裏面防水
これまで紹介したものはすべてベルト全面に防水加工を施しているベルトですが
部分的に防水処理をしているモデルもあります。
ここで紹介する裏面防水は、肌に密着するベルトの裏面にのみ防水加工を行っているものを指します。
防水強度はさすがに専門のベルトより落ちますが、表材に使えるバリエーションが広がるので
デザイン性も大きく広がり多彩なのが特徴です。
当店が扱っているベルトブランド「Cassis」は裏面防水になっているものが多いのですが
「ロリカ」という合成皮革素材がよく使われます。
合成皮革ですが非常に柔らかい上に着け心地が良く、しかも防水性能までついてるすごい素材です。
裏材が防水になるだけでけっこう水分に強くなるので
高級感やフォーマル感が欲しい場合は裏面防水がオススメです。
他には裏面にラバーを貼り付けてあるモデルもあります。
いかがでしたでしょうか。
本当はナイロンや金属ベルトの紹介も行うつもりでしたが
あまりに長いので一度ここまでで区切ります。
夏に向けてベルトを交換したいけど傷みやすいのが気になる、
そんな悩みでも出来る限り改善していければと思っています。
良ければご参考ください。
0コメント